著者が語る、自費出版体験記−体験記
『いのち輝くブナ−信州原生ブナ林を歩く』著者 猿渡利二さん
生きものになくてはならないもの、それは水。山=渓谷=清流=水田=河川=海へと、水は循環する。循環の頂点に位置し、山を護り、水を育むブナ林。幾年月の厳しい自然環境の中を生き抜いてきたブナの独特の樹姿に肉迫するカメラアングルから、いのちの輝き、尊厳が醸し出されてくる。
出版のきっかけをお聞かせください。
自分の興味から生まれてきた1つのモチーフとして撮り続けてきたのが「いのち輝くぶな」であった。撮り続けて10年の歩みを1人の歩みで終わらせたくないので、1コマ1コマを連動する作品展(個展)へと発展させ、仲間と共に歩む場づくりをしてきた。そして、個展を1時的(1次的)なショーで終わらせないためにも、記録集の出版へと目が移ってきた。
出版時の苦労や喜びをお聞かせください。
多く撮りためたポジフィルムの採り出しとその整理には大変な迷いがあった。ひとコマの映像を得るのにも精神的な疲労、体力的な疲労もかさみ、得られた光と影による造形であると主張し、印刷の色合いには厳しくお願いをしてきた。願いを受け取っていただいたみずほ出版様に、ありがとうを申します。
出版前と後でのご自身の変化をお聞かせください。
JRP名古屋塾で、本部の講師や東海地区の会員様から、写真批評をいただきながら多くを学ぶうちに、出版への意欲と具体策を考え作品の見方・採り上げ方に創造性が自分なりに身についてきた感がします。出版後においては、映像への視線がモチーフをふくらませることができ、撮影活動が一層楽しく身についてきたようです。
完成した本を手にされた感想をお聞かせください。
自分が森林、ブナと共に生きてきた証です。胸をドキドキしながら1頁1頁をおくって見せていただきました。嬉しいの一言です。見て返り読んで返りしているうちに、また新しい創造が生まれ、次に出版する時には、こうしたいということが浮かび上がってきました。
自費出版を考えられている方へメッセージをお願いします。
自費出版は出費がかさむので大変ですが、自分を磨く(研く)主体的な取り組みになります。自分が生きてきた証として、恐れずに取り組んでみましょう。きっとあなたを励まし、幸せを掴むことができると思います。